経験を一人だけのものにしない
現場に立ち“技術の川北”を継承する
電力工事
近藤 敦仁Atsuhito Kondo
電力中部本店 電力工事部
工事長
1992年入社/名古屋工学院専門学校電業技術学科卒
Q.現在どのような仕事をしていますか?
近年、電気はさまざまな発電方法でつくられていますが、送電線がなくては利用者に届けることはできません。これまで私は、四半世紀にわたり中部地方を中心に全国のいろいろな場所で送電線に関する仕事をしてきましたが、経済活動や暮らしを支える仕事をしているという誇りは、常に胸に抱き続けています。
Q.一日の仕事の流れを教えてください。
一言でいえば「多種多様」です。基本的に事務所での仕事と、現場での仕事に分かれるのですが、工期によってはずっと事務所で書類に追われることもありますし、道具のメンテナンスに時間を割く日もあります。現場によっては移動だけで一日近くを費やすことも。すべてに共通しているのは、現場で働く社員や作業員のサポートをするのが自分の仕事という点ですね。
Q.携わっている事業と、川北電気工業の他の事業との違いはどんなところですか?
川北電気工業は民間企業ですが、こと電力工事部門に関しては、電設工事部門やモートルメンテナンス部門に比べて公共性が高い点が挙げられます。他の業種と違い一括で仕事を行うので、専門性と技術力が問われる仕事だと思います。
Q.この仕事のやりがいや面白み、難しいと感じる点はどんなところですか?また、長く勤めることでその考えに変化は現れていますか?
この仕事は、ライフラインの最重要箇所を担っている責任感を噛みしめながら取り組む必要があり、全てにおいて難しさを感じます。私は25年以上勤続していても、まだ分からないことがあるので、常に向上心と興味を持ち続けなければなりません。そのため忍耐力は欠かせませんね。
Q.これまでを振り返り、心に残っている仕事でのエピソードを教えてください。
若い頃は、ベテランの職人さんから「山や岩の目を見なさい」とよく言われました。気温や湿度、風、標高などがまちまちな自然環境の中で、送電線や鉄塔についてミリ単位の精度が求められる仕事であるため、現場での経験値はどれだけ積んでも積みすぎではありません。
Q.川北電気工業の良さ、数ある会社から川北電気工業を選んだ理由を教えてください。
職人気質なところがある会社かもしれません。私もその点に惹かれています。昔に比べて会社の規模が大きくなり、合理化される部分もありますが、技術者や職人の技術や魂をしっかりと受け継いでいるのは自慢できますね。
Q.若手社員にはどのように仕事を教えていますか?指導にあたり特に意識していること、若手社員に期待していることを教えてください。
当社は“技術の川北”として、品質への強いこだわりが特徴です。今はITの力で多くの事を解決できますが、技術継承を行うためには、現場で後輩とともに経験することが大切だと考えています。そのために、若手社員が仕事に行きたくなる明るい職場づくりをいつも意識しています。彼らに期待することは、臨機応変にどんな状況でも機転が利き対応できる人間になって欲しいということですね。
Q.今後、仕事においてどのような未来像を描いていますか?
先ほども言いましたが、25年以上勤続していても、まだ分からないことがあるので、探究心をもってこの仕事を極めていきたい。また、新たに入社する方と、これからの川北電気工業をつくっていきたいですね。社員と職人、チーム一丸となってあらゆる現場に望む仕事なので、おのずと対応力と人間力が磨かれていくはずです。ぜひ真のスペシャリストになりたい人は、当社の門を叩いてほしいです。
※所属、役職、業務内容は取材時点の内容です。
1990年11月 | 第二種電気工事士 取得 |
---|---|
1992年2月 | 第一種電気工事士 試験合格 |
1992年4月 | 入社 施工班と一緒に現場での施工を経験する。 (500kV静岡幹線新設工事(第5工区)) |
1996年4月 | 工事副主任 全断面深礎掘削機の担当になり、施主様や技術者と共に現場を進めるようになる。 (500kV越美幹線新設工事(第12工区)、275kV駿河東清水線新設工事(第2工区)、275kV佐久幹線新設工事(第2工区)他) |
1999年4月 | 工事主任 東北電力、東京電力、関西電力の作業場の応援に呼ばれるようになる。 (東北電力:66kV栗橋線雪害防止工事、275kV蔵王幹線他) (東京電力:154kV川世線鉄塔建替工事他) (関西電力:154kV滝越御岳線、154kV木曽幹線改良工事、500kV越前嶺南線補修工事他) |
2004年4月 | 工事主任 (77kV新シャープ三重線新設工事(3工区)) (33kV尾州ウール線雪害に伴う故障箇所緊急復旧工事) |
2010年3月 | 一級電気施工管理技士 取得 |
2010年4月 | 工事課長代理 現場責任者として現場へ行くことが多くなる。 当社としては珍しく、保守の仕事を多く請け負うようになった。 また、若手社員の育成、新技術、特許等に携わるようになった。 施主様からの相談に対応することが多くなった。 |
2015年4月 | 工事長 若い現場代理人、大型件名のバックアップも含めて、現場で教えることが多くなった。 若手社員教育等の資料作成・指導を行うようになった。 また、当社では経験の無い、垂直80m以上の移線を行う事になった。 (275kV新北陸幹線No.285~No.287改良工事) |
2018年4月 | 工事長(現在) |